富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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117:『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク』 16:26
117『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク」
正確には『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク ── ビジネス思考法の基本と実践』と,とっても長〜い書名です。
若いビジネスパーソンに向けての企画やコンサルティングの「教科書」的な位置づけになる本だと思えます。テーマは,もう書名そのまんま ── 勝間流マーケティング手法の公開です。
本文は主語が「私」で綴られていますから,講演会を聞く雰囲気で読めます。但し,全327頁と分厚いので,読者の私は多くの休憩が必要でしたが・・・。

作者の勝間氏が,マッキンゼー等の「『ビジネス思考力』が武器である企業」勤務時に鍛えられたという「ビジネス脳」の創り方を「自分の学びプロセスを振り返りながら,ある程度,再現性ある方法として」(p.4)体系化した本です。

この「教科書」は,下図のような階層構造です(本書帯より:クリック拡大可)
フレームワーク階層図思考プロセスの[分析 ── 統合 ── 評価]段階に対し,作者の提唱する「ビジネス思考の基礎」が右側に計7つ対応しているのが図から解ります。








それぞれ,1.論理思考力 Logical Thinking(第3章),2.水平思考力 Lateral Thinking(第4章),3.視覚化力 Visualization(第5章),4.数字力 Numerical Thinking(第6章),5.言語力 Language Capability(第7章),6.知的体力 Mind-Body Correlation(第8章),7.偶然力 Serendipity(第9章)。そして,これらの上位概念として勝間氏の著書には必ず登場する「フレームワーク力」の概説が第2章で位置づけられています。また「○○力」という呼称には「実践で役立てるものである」(p.79)という目的を込めている,との由。

フレームワークとは,本書から要約すると「さまざまな情報を処理・判断し,意思決定を行う際に,思考をより活発化し助けるための,現実を観察する方法で,新しい見方や気づかない見方を出してくれるための尺度」。本書では,マッキンゼー発信として有名な「PPM分析」(あの「スター・問題児・負け犬・金のなる木」論理)をはじめ21例を紹介しています。
 確かに,これらをとっつきにくいマーケティング定理と捉えないで「考えやすくするもの=フレームワーク」と訳すと,随分スッキリしてきました。

本書に登場する7つの基礎力のうち,私が最も興味を持ったのは「私たちが自分の思考力を最大限に発揮しようとするとき,そこで重要なのは,いかに身体を健全に保ち,心を健全に保っていくかです」(p.264)とする「知的体力」の第8章です。「脳を鍛えるのと同じくらいの労力を使って,身体を鍛える」(p.267)。 健康時には見過ごしがちな大事な基礎力です。最近,全く想定外の腰痛に悩まされるようになった私にとって,とても臨場感のある提言でした。


『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク ── ビジネス思考法の基本と実践』
(勝間和代,ディスカヴァー・トゥエンティワン,2008年)1600円
[追伸]
巻末には「お薦めの参考文献」の付録があります。出典としての所謂「参考文献」とは異なり,読者のための推薦図書一覧です。本来,参考文献とは勝間氏の手法が本筋のように思います(そもそもネタを参考文献と表示するのは間違いで,これは厳密には「引用文献」なのですから)。
前著『効率が10倍アップする 新・知的生産術』(blog No.92 / '08 07.04)での推薦図書は文字が小さかったのですが,今回は読みやすい文字で紹介本ジャケットのカラー写真付きに改善されています。

それと冒頭および巻末には,勝間氏からの「この本の感想について,折込みのはがきやメール,ブログなどで積極的に寄せていただきますと,それが私たちの次のセレンディピティとなると思います」という紋切り型ではない切実なメッセージ ── これも勝間流マーケティング手法の一つだと感じました。
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