富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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100:『The Wings of the Crane : 50 Years of Lufthansa Design』 16:25
『50 Years of Lufthansa Design』ジャケット

Lufthansa CI『50 Years of Lufthansa Design』誌面



    

 






  ルフトハンザ航空のデザインシステムIは,
  ミュンヘンオリンピックのピクトグラムを制作した
  Otl Aicherウルム造形大学教授による

思い返すと日本では,1990年台初頭の一時的な流行現象に過ぎなかったのが,CI(Corporate Identification:視覚デザインによる企業イメージの統禦)ではなかったでしょうか。時はバブル経済期,あらゆる企業がシンボルマーク等を一新したものです。海外では,この一冊の本に集大成されるように,永年に渡り企業イメージをデザインと伴に醸成してきたルフトハンザ航空(ドイツ)のような例もあります。利用したことが無い人(私も)でも,どこかしらでインプットされているお馴染みの紺色に黄色の「Lufthansa」のシンボルマークは,その原型が1962年の導入で,ウルム造形大学(当時)が担当。以降50年近くブランディングデザインの基本として使われています。

本書は,ルフトハンザ航空の機内用食器類・機内インテリア・文房具小物類・制服・広告展開例など,洗練された統一デザインツール類を見ることができます。この50年のデザインの変遷も写真で示されています。指を拭いて誌面の隅っこを触れる感覚でページをめくってしまうほど奇麗な誌面構成です。

「視覚デザインによる企業イメージの統禦」などと理屈では何とでも言えますが,本書に触れると「これをCIと呼ぶんだナ!」と,実感します。
本文はドイツ語と英語なのですが,見とれてしまう写真をベースとしたグラフィック誌です。


『The Wings of the Crane : 50 Years of Lufthansa Design』
(Edition Axel Menges,2005年,取扱:ハックネット http://www.hacknet.tv/ )6930円
[追伸]
随分前ですが「エアラインのCI計画に携わることができるのは,デザイン会社にとって最高のステータスです」という話を講演会(講師:稲垣行一郎氏)で聞いたことがあります。
一手に受注しているのが,アメリカのランドーアソシエイツ社で,最新のJALも同社のデザイン。しかし,洗練された真っ黒な機体デザインで話題となったスターフライヤー(羽田〜北九州)を請け負ったのは,若きデザイナー松井龍哉氏が率いる日本の会社だったのは,記憶に新しいところです。

エアライン雑誌各種エアラインのデザインは,一般に関心が高く,雑誌で特集されるケースも多々あります(下写真参照)。


〈左から『AEROPOSTALE(1991.09)』ワールドフォトプレス,『レトロエアライン デザインブック(2005.12)』エイムック,『TITLE(2006.04)』文芸春秋,『Pen(2008.7/1)』阪急コミュニケーションズ 〉
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