富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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189:『本棚にもルールがある』 20:29

本棚にもルールがある

成毛氏の提唱する「面陳」ディスプレイで撮影

● 本棚は本の収納場所ではない

永年,既製品に満足できなかった読者の私,数年前に,持っている本の量とサイズに合せ壁2面で天井高の本棚を特注したのですが,すぐに一杯に。成毛 眞氏は「本が見にくい本棚は機能しない」(p.15)とし「勇気と決断力を持って,本棚に入れる本と入れない本の選抜をしてもらいたい」(p.16)そして「2割は空けておく。新しい本を入れるスペースは常に用意」(p.82)を,理想の本棚の条件に挙げています。

冷蔵庫にルールがあるのに対して「この本が本棚からなくなったら代わりにこれを入れるといったように,鮮度や回転といった考えがない」(p.3)とも。そうなんですよね,確かに「本棚は本の収納場所ではない。読みたい本をすぐに手に取るためのシステム」(p.50)なんですよね。

 

● 本棚は新陳代謝を繰り返さねば意味がない

「買う本の量をセーブするのは愚かな人間のすること」(p.14),「自分に投資をすべく『迷ったら買う』」(p.150)を原則とする成毛氏ですから,読んだ本をどうするかは頭を悩ませ続けた問題だったようです。

成毛氏が辿り着いた,新陳代謝の仕組みを適えるのは『必要な本棚は3つ』ルール,本書の大半を占める第2章(p.55〜142)で語られています。

 

(1)新鮮な本題・・・受け入れる本を制限しないオープンな本棚で「これから読む本,今読んでいる本を置く場所」(p.57)。書店の「平台」の位置づけ。

(2)メインの本棚・・・(1)の読後に選抜された本が入り,背表紙のタイトルも見えるようにする。面陳(=表紙を見せる並べ方,書店用語)をすると,その本棚のテーマがはっきりと見える。

(3)タワーの本棚・・・他の本とは別に扱うべき辞書,事典,ネタ帳の本のスペースで,成毛氏は場所を取らないタワー型の本棚(blog 番外編.01)を採用しているから名付けたようです。

(番外編)神棚・・・絶対に捨てたくないのに「メインの本棚」に入りきれない,人生に影響を与えてくれた本,励まされた本,癒してくれた本たちで,特別な本棚に祀る。とは言いながら,成毛氏は「トイレなどに場所を確保するとよいだろう」(p.109)だそうです。「神棚」じゃなくて,文字通り「紙棚」ですけど,神聖な場所に納得です。

 

本棚の新陳代謝は(1)→(2)の原則で守られるようです。

「神棚」本の在り方は,これまで考えたことのないジャンルでした。成毛氏の図面

 

● 小物を飾ってイマジネーションを生む

私の場合,棚の手前に日常の小物を置いてしまうのですが,単にスペースの利用です。成毛氏は「自分の本棚は,いつも見ていたいと思えるものにしたい」(p.120)として,ジャンルとつながりがある小物によるディスプレイを勧めています。本の面陳(=上文に解説)によるアクセントの他,象徴的な小物として,古いカメラ・万年筆のボトルインク(社会・事件ジャンル),使わなくなった腕時計(歴史ジャンル)等を挙げています。

私も真似をして,叔父の形見でもある古いフィルムカメラを飾りました。

他のアドバイスとしては「背面は,板で覆われているよりも,空いているタイプの方がいい。風の通りが確保でき本が傷みにくい」(p.66)と。以前に私が注文して作った本棚では,湿気の逃げ道の考えが無く今では欠点と感じています。 

 

『本棚にもルールがある ── ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか』

(成毛 眞,ダイヤモンド社,2014年)1400円

  

[追伸]

数年前にオリジナルの書棚を作った件を前述しましたが,大型本が多い私は,奥行き36センチにしました。また別の部屋では奥行き28センチの書棚も作りました。たまたま成毛氏のアドヴァイスも「最低28センチ」ですが,小振りな本を置く場合でも36センチの深みのある方が,手前が空いている分,猥雑感がなく洗練された美しさを部屋にもたらす気がしています。

 

改めて成毛氏の注意書きは,何気なく不都合を感じていたのに,具体的には見過ごしていた設えでした。

例えば,成毛氏がイラストで示した書棚(本編に添付)は,セル(=本棚を構成する空間の最小単位)の集合仕様になっています ── 本棚模型これは有効体積が多く取れます。既製の本棚は,横板がデ〜ンと1枚になっているのが多いのですが,右からと左からの書籍群の塊をブックエンドで仕切ることとなり,中央部に空白が出ます。本棚には仕切りとなる壁が不可欠な点を再認識しました。

 

以前に作った本棚の反省と,成毛氏のアドヴァイスを基に,また今,別の場所に本棚の施工を計画中の私です(模型写真参照)。奥行きは36センチと28センチの2種類を予定しています。背面は通風を意識して,壁面からの隙間(私は模型のようにフック等を考えましたが,仕様はプロが整えてくれる予定です)を設けています。

(お盆休みに作製の背面から見た模型。1/10スケール,下2段はh=335弌ぞ4段はh=260弌

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