富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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183:『毎日がときめく片づけの魔法』 16:31

183:『毎日がときめく片付けの魔法』

 

●「片づけとは,あらゆることに片をつけること」(p.21)

かなり若く,でも今や時の人・こんまり(近藤麻理恵)氏の『毎日がときめく片づけの魔法』は ── 反発する同世代も多いようですが ── 目下マイブームが「断捨離」中の私にとって,かなりの福音書でした。作者とは親子ほどの年齢差がありますから,私としては文章の所々に少女趣味を感じてしまうのは仕方が無い,そこはご愛嬌。

「断捨離」へのネックは,モノへの未練。

元祖やましたひでこ氏の「断捨離」術では,捨てる事のできなかったモノも,超シンプルな「こんまり基準」のミッション「『触ったときにときめくかどうか』で判断する」(p.93)は,それはそれは特効薬でした。

読者の私には蒐集癖もありモノは増えるばかり,一方で収納スペースの在り方に解決策に見いだそうとする垂直思考,ありがちな「美しい収納」系の書籍を眺めるだけでした。冷静に考えると,モノが増え続けるのですから,美しい収納など完遂はないのですが・・・。

とはいえ「生活感のないホテルの部屋」への憧れは人一倍あり,現実とのギャップが悩みどころでした。

 

● 読者(の私)マンションを購入

収納庫としてマンションを買った同僚の話も聞きます。でも,私は「片付け祭り」(p.16)の実践の舞台として,勤務先の宿舎からの引越しを考えました。購入したのは近くの中古マンション,贅肉を取り去り,これから「いっしょに暮らすモノ」(p.98)吟味は,週末の愉しみとなっています。壁紙を変えたり,造り付けの本棚などリフォームも同時進行です。

さて「ときめかないモノを手放す」(p.3)業の始まりです。今年の1月から初め,引っ越し予定の来月までがタイムリミットです。教科書は,この『毎日がときめく片付けの魔法』です。インテリア本のような写真は皆無で,ほとんど文章中心の啓発書です。

「収納の達人にならないでください。なぜなら,モノをため込みがちになるから。収納は,極限までシンプルに,考えてください」(p.100)。

私自身にとって,居心地のいい空間ができつつあります。

 

●「息苦しくなっているモノはありませんか?」(p.58)

昨年末に福岡市に所有していた一戸建てを思い切って売却しました。荷物は,新購入のマンションに送ったのですが,数十箱に及ぶ段ボールから出てくる出てくる(コンマリ曰く)「『あれ,こんなの持っていたっけ? 忘れてた』というようなモノ」(p.61)。今までの私なら「いつか役に立つかもしれない」基準での整理でしたが,ここからは「触ったときにときめくかどうか」で判断,結局ほとんどは「お役目が終了したときが処分のしどき」(p.174)「もうお役目終了の申し出をしている」(p.59)と相成りました。

これはコンマリ流には無いのですが,私の蒐集癖が成した思い出のガラクタは,写真に撮ってから捨てるのをマイルールにしました。ほんの10年ほど前と違って,写真がフィルムでなく,お金もかからないデジタルなのが,とても有り難い。

 

『毎日がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵,サンマーク出版,2014年)税別1600円

 

[追伸]

昨年末から今にかけてのマイブームは「片付け」関係の読書。
本文に書いたように「引っ越しによる『断捨離』」を自分に課したのが引き金ですが,伏線は 以前からありまた。
下記は『モノが少ないと快適に働ける』(blog No.181)の「追伸」欄で列記した内容の再録です。
「いい仕事に,整理術は欠かせない」として「思考回路の整理」と「空間の整理」を提唱したのが『佐藤可士和の整理術』(blog No.68)で,私にとっては単なる憧れでした(2007 11)。
「心の新陳代謝」を説いたのが『仕事に効く「断捨離」』(blog No.174),でも,モノの増殖が人並み以上に多い私には無理と悟ったのでした(2013 9)。
そして書名そのものが印象的で,以降ずっと私の中で気になるフレーズになったのが『わたしのウチには,なんにもない。』(blog No.175)。
ブログ中で,私は「・・・手っ取り早い解決策は,引っ越しかもしれません。この夏,古いの友人からの『今の職住近接を終えて,仕事帰りにフィットネスクラブで汗を流すようなライフスタイルに切り替えては』と言われて以来,そういう考え方があるのも気になっています」と,綴っています(2013 11)
ところが「断捨離」を後悔したっぽいエッセイ『捨てる女』(blog No.214)を読んでからは,モノを捨てる事よりも,モノの整理を重視したいと考えるようになった,影響されやすい私(2014 2)。
おっと忘れていた。「男は集める生き物」「消しゴムのちぎれた切れっぱし,道で拾ったビール瓶の王冠,壊れた玩具の一部分などゴミに近いものであっても,それを大事に重い,捨てずにとっておくというところに,すでに『オトコ』が芽生えている」と説いたのが『蔵書の苦しみ』(blog No.172)でしたね(2013 8)。
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