富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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171:『金岡新聞』 15:28
『金岡新聞』

大人でも読み応えのある『朝日小学生新聞』の1面トップ記事で紹介(2012年10/14,背景写真)された『金岡新聞』── 和歌山に住む金岡 陸くん(当時10歳)がコツコツ発行する話題の「ご近所新聞」,その全2年間分(2010年4月〜2012年2月)が本になって出版されたものです。

書籍化では,紙面のみならず「金岡新聞社」の経営方針やら,仕事シーンも載っていて,これがまた臨場感あって楽しいのなんの・・・。
金岡新聞社は,社訓(元気・笑顔・選択・切換・集中・持続)も社歌も在る「会社」で,代表は現役小学生の金岡 陸氏。金岡新聞社では,取材記者(本人)は腕章と記者証を着け,名刺を持ち,取材した方へ贈るノベルティも揃えています。

金岡代表が「折り紙に『ニュース』を書いて配っている友達」に刺激されて,小学校3年次の2010年4月に起業したそうです。
「出来るだけ地元の記事をのせようと思って,あちこち取材に行きます。新聞を作りながら,色々なことを知っていく楽しみがいっぱいです」(書籍化にあたっての 「読者のみなさまへ」より)。「新婚さんにインタビュー」なんて取材記事(2011 12/12)もあり,書籍化に当たっては彼らにもメモリアルですね。発行して1年あたりから飛躍的に記事と割付けの精度が上がっていますが,まさに社訓の 一つ「持続」の成果ですね。
週刊の『金岡新聞』(毎週月曜日刊)は地域で大評判,現在の発行部数は150部だそうです。

掲載紙の中には,金岡記者が重宝していると思われる「のりといえばアラビックヤマト」
「色がいい!! コーリン色鉛筆」「カメラ,プリンターはCanon」,記事の執筆時用か「ウルトラマンのドロップあります〜サクマドロップス」や,地元でしょうか「マシュマロふんわりパンダ〜山崎梅栄堂」「紀州しみずぶどう山椒」などの突出し広告もあります(ヤマト糊さんやCanonさんらは名誉ですね)。一方で「書籍化にあたり掲載許可がおりませんでした。申し訳ございません」が代わりに入った空白記事もあり残念です。

金岡新聞金岡新聞社

週刊『金岡新聞』は,A4判の紙に手書き文字・プリント写真を切り貼りしたものをカラーコピーで出力しているようです。カラーコピー機の一般普及は,金岡新聞社の事業にも寄与しているようです。

本の帯に「そういえば誰にも“何かを伝えたい”時期があった」── なんだか金岡くんにやられちゃったな! って感じです。目下,教育学部の大学生にも絶賛推奨中の一冊です。

『金岡新聞』(金岡 陸,飛鳥新社,2012年)1400円
[追伸]
大学生の息子が小学生の時に購読していたのが『朝日小学生新聞』でした。10年前と比べると「予備校の広告が多くなったな」とは感じますが,今は私自身が購読し勉強しています。
新聞活用を担える基礎を持つ小中学校の教員の育成授業を教育学部の中で担当しています。初めたのは8年ほど前ですが,当時は「オールドメディアを今更・・・」と,学生の食付きは悪かったですね。2008年の学習指導要領を受け,2012年度から小学校で新聞活用学習が教科を越えて導入されましたので,随分と状況も変わってきました。
とくに小学校教員を目指す学生には「小学生新聞」の購読を薦めています。

説明が難しい社会のニュースも,小学生にも理解できる分かりやすい解説は,大人でも勉強になります。時事問題では教員採用試験(もちろん入社試験も)対策でも充分に対応できます。最近では,大学での授業開始時の時事問題テストに『朝日小学生新聞』の1週間分の記事を中心に作問しています。

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