富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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169:『3分でわかる ロジカル・シンキングの基本』 15:20
3分でわかる〜(300pix)

「3分でわかる」の書名に惹かれ,帰路の新幹線で読み切ってしまおうと思い,東京駅前の八重洲ブックセンター(写真の背景は私の好きな八重洲BCの書籍カヴァー)で買った本です。とは言うものの「3分でわかる」の意は,40ある項目が「1項目だいたい3分でわかるようにしてあります」(「3分で読める『はじめに』より)。実際には,1話をちびりちびり1週間程度,半年かけて読み終えたところです。

項目の設定や小見出しが実にわかりやすい。例えば『仮説は間違っていていい』(p.57),『「問題を解決すべき」は結論ではない』(p.76),『相手につっこませない『ファクト』の裏付け』(p.84)等々。
作者の大石哲之氏は執筆当時,33歳の若きコンサルタント,難しげな論文調を使うこともなく,項目(テーマ)に沿った企画のツボを正攻法で丁寧に押さえてくれています。
現在,ビジネスシーンでの代表的なマーケティング思考は「仮説思考」です。この本も「『仮説 → 検証 → 修正』サイクルをいかに早く回すことができるか」(p.58)の仮説思考が基調となっています。

時折示される実例は,これまた興味深い。
作者が「事例として,富士フィルムの例を挙げます」(p.184)には ── 
1)自社のフィルムが売れなくなる状況を作るデジタルカメラの製造に事業分野を広げた。
2)フィルム開発を通して得たコラーゲンに関する技術で,化粧品の分野に進出。
2008年の初版ですが,世界最大のフィルムメーカーだったコダック社(2012年 経営破綻)のでき得なかった事業の紹介が,その3年前に話題提供されています。

マーケティングの概要を解した教科書的な内容が中心で,若きビジネスパーソン向けの位置づけでしょうが,こちらが勉強の復習をさせてもらったような気分です。「3分」では分からなかったけど『わかるロジカル・シンキングの基本』でした。

『3分でわかる ロジカル・シンキングの基本』(大石哲之,日本実業出版社,2008年)1470円
[追伸]
マーケティングの基本を解説した本として,富士フィルムの事例紹介は印象的でした。
今年の始めの米イーストマン・コダック社の経営破綻に対し「天声人語」は「フィルムの栄光を忘れ得ない経営によって,デジタル時代から取り残されていった」「強い者が生き残るのではない。適応できた者が生き残る」(2012 1/23)と書きました。

富士フィルム 化粧品「ASTALIFT」CM(2008年)http://www.youtube.com/watch?v=9DcL6EEhHW8

富士フィルム デジタルカメラ「FINEPIX」(2009年)http://www.youtube.com/watch?v=02NAjsRqaC8
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