富山祥瑞の大福帳(読書ブログ)
「大福帳」とは,江戸時代に商屋で使われた金銭出納帳で,現在の簿記のように勘定項目を分けずに取引の順に書き連ねた経営活動の記録。
この発想に倣い,ジャンルを問わず読んだ書籍の記録を順次残していく知的生産活動の日記としていきたい。

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166:『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』 19:14
でかいプレゼン 高橋メソッド

自分なりの「なんとかプレゼンする方法」を見つけ,やり方が,よくある手法とは大きく異なっていたため,いつしか「高橋メソッド」と呼ばれるようになりました、と本人が語る「高橋メソッド」。

もとは高橋征義氏が2005年にweb上に公開したことで,話題となったプレゼン手法です。
webでは「高橋メソッド」の説明を,高橋メソッドに基づいた手法でプレゼンしています。
http://www.rubycolor.org/takahashi/takahashi/img0.html

削ぎ落としまくった簡潔な単語だけを,画面いっぱいに「でかい文字」だけで勝負するプレゼンです。生みの親・高橋氏が、今度は書籍で著したのが,この『でかいプレゼン 高橋メソッドの本』です。
本の企画時に周りから「全ページに1行とか2行しか文章がない本を想像されてしまった」と語っているくらい,このメソッドは「巨大な文字」「簡潔な言葉」が特徴です。

プロジェクター投影されている画面と全く同じものをプリント配布しているプレゼンを受けることは多いと思います。高橋氏は「そのまま配布資料になるというのは,逆に言えば、配布資料のようなものをプレゼンのスライドに使っている」ことの問題性を指摘
── とっても納得と共鳴をします。
一般的なプレゼンに上記のような問題点があるにも関わらず,大きな文字プレゼンの高橋メソッドは下手をすると「これはネタではないか」(p.122)また「ただでさえ冗談のように見えがちな手法」(p.28)に映りがちです。高橋氏は「(モリサワのゴシックMB101Bのような)良質なフォントを使うべき」点と,TPOとして「ふざけていると誤解される可能性もあるので,上司の方などとよく相談される」ことの勧め,そして「クライアントの方々の面子や性格をあらかじめ把握しておく」など,社風の観察にも言及しています。大学生が授業発表で使おうと思っても,発表内容や教室の空気を読む必要はあります。

「本当のことを言うと,『メソッド』なんて大々的に謳うような,すごい手法というわけでもありません。普通の人でもあっさりと使える,ちょっとした『工夫』のようなものです」(p.22)と謙遜していますが,多くの人が看過していた「大きなものは目立つ,目立つものは記憶に残る。人が文字を使うときの大原則」(p.98)を具現化したことは,やっぱり「メソッド」と呼ばれる所以です。

『でかいプレゼン 高橋メソッド』(高橋征義,ソフトバンククリエイティブ,2005年)1200円

[追伸]
高橋メソッド/プレゼン光景かつて私が広告会社に勤めていた1990年頃,何でもかんでも伝えよう,伝え足らない,とばかりに文字や図表が満載の企画書の在り方を見直そうとする業界全体の動きがありました。企画書の紙面づくりへの問題提議で,プロジェクターがなかった(OHPは有)時代の話です。

パソコンの普及によって2000年頃からプレゼンテーションの手法がプロジェクターに移っていきましたが,配付資料と投影される画面との関連性を,聴衆の立場で考えるまでには至らなかったように思います。
映像表現での分かりやすさが求められる時代にあって「高橋メソッド」は,まさにドンピシャリ!
高橋メソッドの「でかい文字」のプレゼン光景(本書p.1より) 
やはり,手もとの配付資料とプロジェクター画面が同じ(パワーポイントで作成の方に多い)では意味がありませんからね!
ところで,私のプレゼンは・・・予め配置を決めたフォームにイラストレーターソフトで作画,PDF化したものをスライドとして使っています。様式は「高橋メソッド」に近い形になっていますが,フラッシュカード方式ではなく,同じ画面を長く写す方法を採っています。
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